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2015年2月2日

変形性膝関節症(OA)診療ガイドラインにおける海外との違い

変形性膝関節症診療ガイドラインにおける日本整形外科学会(JOA)と国際的な変形性関節症に関する学会(OARSI)の推奨される治療内容・比較について簡単にまとめてみた。

 

JOA、OARSIのどちらにおいても高いレベルで推奨されている事項は以下の通りである。

・膝OAの治療に不可欠な事は患者教育である。特に患者が主体的に治療に取り組むことが、痛みを軽減し、良好な健康状態を実感するに最適な方法の一つである。

・定期的な有酸素運動、筋力強化訓練および関節可動域訓練を実施し、かつこれらの継続を奨励する。

・BMI25超の者は最低5%減量する。

・症候性のOA患者では非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を最少有効量で使用すべきだが、長期投与はできるだけ行わない。

・非薬物療法と薬物療法の併用によって十分な疼痛緩和と機能改善が得られない膝OA患者の場合は、人工関節置換手術を考慮する。

 

次に、JOA、OARSIで推奨度が異なる事項を以下に述べる。

・ヒアルロン酸注射はJOAでは推奨されているが、OARSIではあまり推奨されていない。

・グルコサミンやコンドロイチン硫酸の投与が膝OA患者の症状緩和について、OARSIでは否定的ではない。ただし6か月以内に効果が見られなければ投与は中止する。

・OARSIでは、関節洗浄および関節鏡視下デブリードマンの効果はプラセボ効果に起因する可能性があると示している。